年金、減らすべき?
──でも「なぜ?」は、人によって全然ちがう。
A ── ふつうの感覚

「払う人が減って、もらう人が増えてるから。」

B ── 一歩深い

「みんなで少し我慢して、長く続く制度にした方がいい。」

C ── かなり先を読む

「『制度の持続のため』── ええ、ついでに配る量を絞った分、払う側の私たちも軽くなるしね。」── そこまで計算してる

同じ「賛成」でも、見ている世界はこんなに違う。

そして「制度の持続のため」という言葉は、たいていいちばん深く読む人が考えて、いちばん何も知らない人に向けて作られている。

※この1枚も、立ち止まってもらうために、わざと単純にしてある。「何も知らない人」は悪口ではなく、興味のない話題での私たち全員のこと。「なぜ?」の中身は、この下に ↓
このページは、「読み方」(3つの問い・4つの約束)が前提です。はじめての方は、先にそちらを。
賛成

「給付を抑える」の人は、何を見てる?

同じ「賛成」でも、理由も深さもこんなに違う
① すぐ思う(直感)
② ちょっと考えると
③ かなり先まで読むと
きっかけ 1
身近な経験
自分や周りの体験から
すぐ思う

現役世代の保険料が、じわじわ上がっていく経験をしてきたから。

考えると

自分の周りに、現役世代の重い負担で疲弊している人を見てきたから。

きっかけ 2
自分の損得
自分が得をするから
すぐ思う

自分の保険料負担がこれ以上増えるのは、率直に嫌だから。

考えると

自分の世代がもらえるかどうか分からない年金のために、払い続けるのは納得しにくいから。

きっかけ 3
信じている考え
大事にしている価値観
すぐ思う

もらう人が増えて、払う人が減るなら、もらう額を少し減らすのは自然だと思うから。

考えると

みんなで少しずつ我慢して、長く続く制度にする方が、結局は公平だと思うから。

深く読むと

年金は、湧き続ける泉ではなく、現役が毎月くみ続ける井戸。くむ人が減ったのに配る量を変えなければ、壊れるのは配り方ではなく井戸そのもの。

ただし本当に壊れるかは専門家でも結論が割れる。深い=正しい、ではない。
きっかけ 4
商売の損得
会社や業界の損得
考えると

配る額が決まれば、集める額も決まる。給付を絞ることは、会社と現役が払う保険料を絞ることでもあるから。

深く読むと

「持続と公平のため」と言いながら、本当は予算を預かる側といま払う世代が、配る額を絞って身軽になりたい。「みんなで我慢」の割り振りは、言い出した側の我慢がいちばん小さい。

★ いちばん巧妙 ── キレイゴトで本音を包んでいる
見た目は「持続と公平」。中身は、言い出した側の我慢がいちばん小さい割り振り。反対側にも、向きが逆の同じタイプがいます。
きっかけ 5
自分らしさ・仲間
どんな自分でいたいか
すぐ思う

「現実を見て判断できる人」でありたいから。

考えると

将来や次の世代を大事にする仲間と、考えを合わせたいから。

深く読むと

「数字で考えられる自分」でいると、反対の声が「情に流された話」に聞こえてくる。そう聞こえた時点で、半分勝った気になれる。

きっかけ 6
不安
ばくぜんとした感情
すぐ思う

このままいくと、自分が高齢になったときに何も残らない景色が、こわいから。

考えると

現役の負担だけ増え続ける未来が、不安だから。

きっかけ 7
まわりに合わせる
周囲がそうだから
すぐ思う

同世代の「どうせもらえない」という冗談に、笑って返してきたから。笑うたび、冗談は本音に近づく。

考えると

「上の世代は得をした」という話を、否定せずに聞き流してきた。聞き流すことも、空気への小さな一票。

反対

「給付は維持・増額」の人は、何を見てる?

同じ「反対」でも、理由も深さもこんなに違う ── 賛成側とまったく同じ目で見ます
① すぐ思う(直感)
② ちょっと考えると
③ かなり先まで読むと
きっかけ 1
身近な経験
自分や周りの体験から
すぐ思う

身近で、年金だけで暮らしている高齢者が本当にギリギリでやっている経験を、見てきたから。

考えると

家族の高齢者が、減額されたら生活できなくなる経験を、間近で見てきたから。

きっかけ 2
自分の損得
自分が損をするから
すぐ思う

自分や家族の老後の収入が減ると、率直に困るから。

考えると

自分も将来もらう側になるから、減らされるのは納得しにくいから。

きっかけ 3
信じている考え
大事にしている価値観
すぐ思う

長年払ってきた人に、きちんと渡すのは、当たり前の約束だと思うから。

考えると

高齢者の暮らしを支えるのは、社会の最低限のルールだと思うから。

深く読むと

年金は高齢者の財布で止まらず、その日のうちに町の店の売上になる。給付を絞れば、巡り巡って現役の給料袋も軽くなる。

ただし本当にそうなるかは専門家でも結論が割れる。深い=正しい、ではない。
きっかけ 4
商売の損得
会社や業界の損得
考えると

高齢者相手の商売にとって、年金はお客さんへの仕送りのようなもの。減らされれば、真っ先に自分の店の売上が痩せるから。

深く読むと

「生活を守れ」と言いながら、本当はいま受け取っている額を、一円も動かされたくない。いちばん苦しい人を先頭に立てれば、余裕のある受け取り手も、その後ろで一緒に守られる。

★ いちばん巧妙 ── キレイゴトで本音を包んでいる
見た目は「生活と約束」。中身は、先頭の苦しい人の後ろに並ぶ全員の取り分。賛成側にも、向きが逆の同じタイプがいます。
きっかけ 5
自分らしさ・仲間
どんな自分でいたいか
すぐ思う

「高齢者の側に立てる人」でありたいから。

考えると

約束や支え合いを大事にする仲間と、考えを合わせたいから。

深く読むと

「人の暮らしから考えられる自分」でいると、賛成の声が「冷たいそろばん」に聞こえてくる。そう聞こえた時点で、やはり半分勝った気になれる。

きっかけ 6
不安
ばくぜんとした感情
すぐ思う

年金が一度減ると、また何度も減らされていく感じが、こわいから。※「不安だから動きたい」という感情のかたちは、賛成側とまったく同じ。向きが違うだけ。

考えると

自分や家族の老後の暮らしが、もたなくなる未来が、不安だから。

きっかけ 7
まわりに合わせる
周囲がそうだから
すぐ思う

親の「これで暮らせと言うのか」という一言に、返す言葉がなかったから。

考えると

「お年寄りから取るなんて」という声の前では、減らす話は口に出しにくい。出さずにいるうちに、自分の立場も決まっていく。