医療費の窓口負担、増やすべき?
──でも「なぜ?」は、人によって全然ちがう。
A ── ふつうの感覚

「みんなで少しずつ払わないと、制度がもたないから。」

B ── 一歩深い

「タダ同然だと、いらない受診まで増えてしまうから。」

C ── かなり先を読む

「『制度の持続』── ええ、ついでに保険料は軽くなるし、窓口で痛むのは私たちの番ではないし。」── そこまで計算してる

同じ「賛成」でも、見ている世界はこんなに違う。

そして「制度の持続」という言葉は、たいていいちばん深く読む人が考えて、いちばん何も知らない人に向けて作られている。

※この1枚も、立ち止まってもらうために、わざと単純にしてある。「何も知らない人」は悪口ではなく、興味のない話題での私たち全員のこと。「なぜ?」の中身は、この下に ↓
このページは、「読み方」(3つの問い・4つの約束)が前提です。はじめての方は、先にそちらを。
賛成

「自己負担を増やす」の人は、何を見てる?

同じ「賛成」でも、理由も深さもこんなに違う
① すぐ思う(直感)
② ちょっと考えると
③ かなり先まで読むと
きっかけ 1
身近な経験
自分や周りの体験から
すぐ思う

現役世代の保険料が、じわじわ上がっていく経験をしてきたから。

考えると

身近で「安いから何度も病院に行く」ような使い方を見て、もったいないと感じてきたから。

きっかけ 2
自分の損得
自分が得をするから
すぐ思う

自分が払う保険料がこれ以上重くなるのは、率直に嫌だから。

考えると

制度の取り分が大きくなるほど、結局は自分の手取りが減ると思うから。

きっかけ 3
信じている考え
大事にしている価値観
すぐ思う

タダ同然だと、必要のない受診まで増えてしまうと思うから。

考えると

少しお金を払う実感がある方が、本当に必要なときだけ使う仕組みになると思うから。

深く読むと

値札のないものは、使いすぎても誰も気づけない。窓口の小さな支払いはみんなの財布についた蛇口で、蛇口のない財布は長くもたない。

ただし本当にもたなくなるかは専門家でも結論が割れる。深い=正しい、ではない。
きっかけ 4
商売の損得
会社や業界の損得
考えると

医療費が膨らむほど、会社が払う保険料も一緒に膨らむ。窓口の負担増は、会社の支払いを抑える話でもあるから。

深く読むと

「制度の持続」と言いながら、本当は健康で病院に縁の薄い側が、自分の払う保険料を軽くしたい。窓口の痛みを語る人ほど、その窓口にはあまり並ばない。

★ いちばん巧妙 ── キレイゴトで本音を包んでいる
見た目は「制度の持続」。中身は、窓口に並ばない側の負担減。反対側にも、向きが逆の同じタイプがいます。
きっかけ 5
自分らしさ・仲間
どんな自分でいたいか
すぐ思う

「現実を見て判断できる人」でありたいから。

考えると

将来世代を大事にする仲間と、考えを合わせたいから。

深く読むと

「言いにくいことを言える自分」を名乗れるのは、たいていその痛みが自分の番ではない人。厳しさは、安全な席からのほうが口にしやすい。

きっかけ 6
不安
ばくぜんとした感情
すぐ思う

このままだと、自分の老後に制度が残らない景色が浮かんで、こわいから。

考えると

現役の負担だけ増え続ける未来が、不安だから。

きっかけ 7
まわりに合わせる
周囲がそうだから
すぐ思う

医療費の話になると、「使い方を見直した方がいいよね」という空気に、自分も何度もうなずいてきたから。うなずいた回数だけ、負担増は当たり前に見えてくる。

考えると

手取りの話で「医療費が重い」とうなずき合う輪に、よく病院に通う人の顔は浮かばない。浮かばないまま、話はまとまっていく。

反対

「負担は維持・軽く」の人は、何を見てる?

同じ「反対」でも、理由も深さもこんなに違う ── 賛成側とまったく同じ目で見ます
① すぐ思う(直感)
② ちょっと考えると
③ かなり先まで読むと
きっかけ 1
身近な経験
自分や周りの体験から
すぐ思う

自分や家族が病気のとき、窓口で払う額が大きいと、受診を我慢する経験をしてきたから。

考えると

身近で、お金を理由に病院に行けず、悪化させてしまった話を聞いてきたから。

きっかけ 2
自分の損得
自分が損をするから
すぐ思う

窓口で払う額が増えると、自分や家族の通院がいっそう厳しくなるから。

考えると

健康を後回しにした分、結局あとで自分や家族の医療費が膨らむと思うから。

きっかけ 3
信じている考え
大事にしている価値観
すぐ思う

命に関わるところに、お金で差をつけるのはおかしいと思うから。

考えると

困っている人ほど、安心して医者にかかれる仕組みであるべきだと思うから。

深く読むと

窓口で我慢された病気は、消えるのではなく、育ってから戻ってくる。早めの千円を惜しませる仕組みは、あとの百万円を呼び込む。

ただし本当にそうなるかは専門家でも結論が割れる。深い=正しい、ではない。
きっかけ 4
商売の損得
会社や業界の損得
考えると

病院や薬の業界の収入は、患者が窓口に来る回数で決まる。患者の足が遠のく仕組みは、そのまま売上が細る仕組みだから。

深く読むと

「命を守る」と言いながら、本当は治療のたびに病院へ入るお金で食べている側が、その取り分を守りたい。命の看板の隣に、帳簿が静かに置いてある。

★ いちばん巧妙 ── キレイゴトで本音を包んでいる
見た目は「命を守る」。中身は、看板の隣に置かれた帳簿。賛成側にも、向きが逆の同じタイプがいます。
きっかけ 5
自分らしさ・仲間
どんな自分でいたいか
すぐ思う

「弱い側に立てる人」でありたいから。

考えると

命を大事にする仲間と、考えを合わせたいから。

深く読むと

「命の側に立つ自分」を名乗ると、お金の話を持ち出す人を黙らせられる。命という言葉には、議論を終わらせる力がある。

きっかけ 6
不安
ばくぜんとした感情
すぐ思う

いざというとき、病院にかかれない社会は、こわいから。※「不安だから動きたい」という感情のかたちは、賛成側とまったく同じ。向きが違うだけ。

考えると

自分や家族が病気になったとき、お金で選択が変わる未来が、こわいから。

きっかけ 7
まわりに合わせる
周囲がそうだから
すぐ思う

「病院に行けない人が出るなんて」という声に、異を唱える理由がないから。声のそろう場所では、そろった声しか出ない。

考えると

命の話の前では、「でも誰が払うの」とは聞きにくい。飲み込んだ問いの分だけ、その場の空気は濃くなる。