大学、無償化すべき?
──でも「なぜ?」は、人によって全然ちがう。
A ── ふつうの感覚

「学費で進学を諦める人を、見たくないから。」

B ── 一歩深い

「どの家に生まれても、学ぶ機会だけは同じに。」

C ── かなり先を読む

「『機会の平等のため』── ええ、ついでに定員割れで空いた教室も、税金で埋まりますしね。」── そこまで計算してる

同じ「賛成」でも、見ている世界はこんなに違う。

そして「機会の平等のため」という言葉は、たいていいちばん深く読む人が考えて、いちばん何も知らない人に向けて作られている。

※この1枚も、立ち止まってもらうために、わざと単純にしてある。「何も知らない人」は悪口ではなく、興味のない話題での私たち全員のこと。「なぜ?」の中身は、この下に ↓
このページは、「読み方」(3つの問い・4つの約束)が前提です。はじめての方は、先にそちらを。
賛成

「大学は無償化へ」の人は、何を見てる?

同じ「賛成」でも、理由も深さもこんなに違う
① すぐ思う(直感)
② ちょっと考えると
③ かなり先まで読むと
きっかけ 1
身近な経験
自分や周りの体験から
すぐ思う

身近に、学費を理由に進学を諦めた人がいて、それは違うと感じたから。

考えると

自分や家族が、学費の重さで進路を選びにくかった経験を、近くで見てきたから。

きっかけ 2
自分の損得
自分が得をするから
すぐ思う

自分の子どもの学費がぐっと軽くなったら、率直にありがたいから。

考えると

教育費の負担が軽い方が、子育てを選びやすくなるから。

きっかけ 3
信じている考え
大事にしている価値観
すぐ思う

家のお金で人生の選択肢が決まるのは、おかしいと思うから。

考えると

どんな家に生まれても、学ぶ機会だけは同じに与えられるべきだと思うから。

深く読むと

才能は、生まれる家を選べない。学費の壁を外して、埋もれたままの才能を掘り起こした分だけ、社会は強くなる。

ただし本当に強くなるかは専門家でも結論が割れる。深い=正しい、ではない。
きっかけ 4
商売の損得
会社や業界の損得
考えると

18歳の人口は減り続けていて、学生集めは大学の生き残りの問題になっている。無償化は、減っていく入学者を税金がつなぎ止めてくれる話だから。

深く読むと

「機会の平等」と言いながら、本当は学生が減って空きはじめた教室を、税金で埋めたい。救われるのが学生なのか学校なのか、看板からは見分けがつかない。

★ いちばん巧妙 ── キレイゴトで本音を包んでいる
見た目は「機会の平等」。中身は、空いた教室を税金で埋める話。反対側にも、向きが逆の同じタイプがいます。
きっかけ 5
自分らしさ・仲間
どんな自分でいたいか
すぐ思う

「学びを応援する人」でありたいから。

考えると

機会の平等を大事にする仲間と、考えを合わせたいから。

深く読むと

「学びの味方」と名乗るのに、お金は一円もかからない。賛成と言うだけで、夢を応援する側に並べる。

きっかけ 6
不安
ばくぜんとした感情
すぐ思う

学費が高すぎて、自分の子どもが進学できなくなる景色が、こわいから。

考えると

家のお金で人生が決まる社会が、さらに固定する未来が、不安だから。

きっかけ 7
まわりに合わせる
周囲がそうだから
すぐ思う

「奨学金という名の借金」という話題に、ひどいよねと返してきたから。返した言葉の分だけ、無償化は正解に見えてくる。

考えると

親同士の集まりで、「学費つらいよね」にうなずかない選択肢は、ほぼない。うなずきの集まりが、いつしか世論と呼ばれる。

反対

「全員無償化に反対」の人は、何を見てる?

同じ「反対」でも、理由も深さもこんなに違う ── 賛成側とまったく同じ目で見ます
① すぐ思う(直感)
② ちょっと考えると
③ かなり先まで読むと
きっかけ 1
身近な経験
自分や周りの体験から
すぐ思う

自分や家族が、頑張ってお金を貯めて学費を出してきた経験があるから。

考えると

大学に行っても、必ずしも力がついているとは思えない、という経験を見てきたから。

きっかけ 2
自分の損得
自分が損をするから
すぐ思う

無償化のための税金が、結局は自分にも回ってくるのは、率直に嫌だから。

考えると

自分は子どもがいない/もう手が離れているのに、新しい負担だけ増えるのは、納得しにくいから。

きっかけ 3
信じている考え
大事にしている価値観
すぐ思う

学ぶ意欲のある人が進めばよくて、全員を税金で支える必要はないと思うから。

考えると

お金で苦労して進学する経験そのものに、価値があると思っているから。

深く読むと

無料にした瞬間、「そこで学ぶ価値はあるか」という問いが消える。問われなくなった場所の質は、ゆっくり下がっていく。

ただし本当に質が落ちるかは専門家でも結論が割れる。深い=正しい、ではない。
きっかけ 4
商売の損得
会社や業界の損得
考えると

国の財布はひとつで、教育に新しく流れる分は、どこかから削られる。削られる側に立つ業界には、他人事ではないから。

深く読むと

「ばらまき反対」と言いながら、本当は教育に新しく回る分だけ、自分の負担が増えるのを避けたい。わが子の塾代は「投資」と呼び、よその子の学費は「ばらまき」と呼ぶ ── 線を引いているのは財布のほう。

★ いちばん巧妙 ── キレイゴトで本音を包んでいる
見た目は「ばらまき反対」。中身は、わが子の塾代だけを「投資」と呼ぶ線引き。賛成側にも、向きが逆の同じタイプがいます。
きっかけ 5
自分らしさ・仲間
どんな自分でいたいか
すぐ思う

「安易な配り物に流されない人」でありたいから。

考えると

規律や自分の足で立つことを大事にする仲間と、考えを合わせたいから。

深く読むと

「甘やかさない自分」と名乗るのにも、お金は一円もかからない。反対と言うだけで、苦労を知る側に並べる。

きっかけ 6
不安
ばくぜんとした感情
すぐ思う

税金で配る制度が一度始まると、もう止まらなくなる感じが、こわいから。※「不安だから動きたい」という感情のかたちは、賛成側とまったく同じ。向きが違うだけ。

考えると

将来、自分の世代にツケが残る景色が浮かんで、不安だから。

きっかけ 7
まわりに合わせる
周囲がそうだから
すぐ思う

「また配るのか、財源はどうする」という身近な口ぐせに、そうだねと返してきたから。口ぐせは、人から人へ移る。

考えると

「行く意味のない大学もある」という話で盛り上がる輪では、賛成とは言い出しにくい。輪の温度は、自分の相づちでも上がっている。