所得税、下げるべき?
──でも「なぜ?」は、人によって全然ちがう。
A ── ふつうの感覚

「給料から引かれる額、多すぎるから。」

B ── 一歩深い

「手取りが増えれば、人も会社も動き出すから。」

C ── かなり先を読む

「『働く意欲のため』── ええ、ついでに、税率の高い私たちほど大きく返ってきますしね。」── そこまで計算してる

同じ「賛成」でも、見ている世界はこんなに違う。

そして「働く意欲のため」という言葉は、たいていいちばん深く読む人が考えて、いちばん何も知らない人に向けて作られている。

※この1枚も、立ち止まってもらうために、わざと単純にしてある。「何も知らない人」は悪口ではなく、興味のない話題での私たち全員のこと。「なぜ?」の中身は、この下に ↓
このページは、「読み方」(3つの問い・4つの約束)が前提です。はじめての方は、先にそちらを。
賛成

「所得税は下げる」の人は、何を見てる?

同じ「賛成」でも、理由も深さもこんなに違う
① すぐ思う(直感)
② ちょっと考えると
③ かなり先まで読むと
きっかけ 1
身近な経験
自分や周りの体験から
すぐ思う

給料明細を見るたびに、引かれている額が大きすぎる、と感じてきたから。

考えると

働く時間を増やしても、手取りはそれほど増えない経験を、長くしてきたから。

きっかけ 2
自分の損得
自分が得をするから
すぐ思う

手取りが少しでも増えるなら、素直にうれしいから。

考えると

自由に使えるお金が増えれば、家族にも自分にもいいことが回ると思うから。

きっかけ 3
信じている考え
大事にしている価値観
すぐ思う

働いた人の手元に、できるだけ多く残るのが当たり前だと思うから。

考えると

取りすぎると、頑張る気が失せて、結局は社会全体が弱ると思うから。

深く読むと

人は「いくら稼いだか」より「いくら残ったか」で、次のがんばりを決める。残る額が増えれば、社会の働く量そのものが増えていく。

ただし本当にそうなるかは専門家でも結論が割れる。深い=正しい、ではない。
きっかけ 4
商売の損得
会社や業界の損得
考えると

収入が多い人ほど税率も高い。下がったとき、いちばん大きく得をする位置にいるから。

深く読むと

「働く意欲のため」と言いながら ── 意欲が増えたかどうかは、誰にも測れない。高い税率を払う層の手取りだけが、確実に増える。

★ いちばん巧妙 ── キレイゴトで本音を包んでいる
見た目は「働く意欲のため」。中身は測れない約束と、確実に増える手取り。反対側にも、向きが逆の同じタイプがいます。
きっかけ 5
自分らしさ・仲間
どんな自分でいたいか
すぐ思う

「自分で稼ぐ人でありたい」と思うから。

考えると

努力や挑戦を大事にする仲間と、考えを合わせたいから。

深く読むと

減税に賛成と言うことは、「自分は支えられる側ではなく、稼ぐ側だ」という名乗りでもある。意見と自己紹介が、ひとつになっている。

きっかけ 6
不安
ばくぜんとした感情
すぐ思う

働いても働いても、手取りが増えない不安があるから。

考えると

働く意欲が消えていく社会の景色が浮かんで、こわいから。

きっかけ 7
まわりに合わせる
周囲がそうだから
すぐ思う

給料日の「なんでこれだけ?」というため息に、いちばん自然にうなずけるから。

考えると

手取りの愚痴の輪では、うなずくのがいちばん楽で、実際ずっとうなずいてきた。その心地よさも、すこし混ざっているから。

反対

「高い人にもう少し」の人は、何を見てる?

同じ「反対」でも、理由も深さもこんなに違う ── 賛成側とまったく同じ目で見ます
① すぐ思う(直感)
② ちょっと考えると
③ かなり先まで読むと
きっかけ 1
身近な経験
自分や周りの体験から
すぐ思う

身近で、医療や教育や介護の現場が手薄になっていく話を、現場で聞いてきたから。

考えると

税金で支える仕組みがないと、自分が困ったときに頼れない経験をしてきたから。

きっかけ 2
自分の損得
自分が損をするから
すぐ思う

自分は普通の収入だから、高い人にもう少し払ってもらった方がいいと思うから。

考えると

医療・教育・介護で公が支える方が、結局は自分の家計の安心につながるから。

きっかけ 3
信じている考え
大事にしている価値観
すぐ思う

収入が多い人ほど多く負担するのは、自然な公平さだと思うから。

考えると

強い立場の人が支えて初めて、社会の土台が保てると思うから。

深く読むと

同じ一万円でも、ぎりぎりの家計と余裕のある家計では重さがちがう。荷物は持てる力に合わせて分けたほうが、船全体は揺れない。

ただし本当に安定するかは専門家でも結論が割れる。深い=正しい、ではない。
きっかけ 4
商売の損得
会社や業界の損得
考えると

高い人への税が増えれば、税金で回る私たちの業界の予算が太くなるから。

深く読むと

「再分配を」と言いながら、本当は集める額が増えるほど、その配り先を決める自分の力が育つ。配る側は、いつでも配られる側より強い。

★ いちばん巧妙 ── キレイゴトで本音を包んでいる
見た目は「再分配」。中身は、配る側の力の積み上げ。賛成側にも、向きが逆の同じタイプがいます。
きっかけ 5
自分らしさ・仲間
どんな自分でいたいか
すぐ思う

「社会の弱い側に立てる人」でありたいから。

考えると

公平さや支え合いを大事にする仲間と、考えを合わせたいから。

深く読むと

「高い人がもう少し」への賛成は、自分の財布が痛まない正義でもある。名乗りやすい正しさほど、疑われずに育つ。

きっかけ 6
不安
ばくぜんとした感情
すぐ思う

社会の差が広がりすぎて、自分や家族が置いていかれる景色が、こわいから。※「不安だから動きたい」という感情のかたちは、賛成側とまったく同じ。向きが違うだけ。

考えると

公の支えがやせていく未来が、長い目で見て不安だから。

きっかけ 7
まわりに合わせる
周囲がそうだから
すぐ思う

身近の「もうけている人がもっと払えばいい」という声に、自然にうなずいてきたから。

考えると

お金の話では「上がもっと払えば」と返しておけば外れない、という空気がある。その型に合わせている部分も、たぶんあるから。