自由貿易、進めるべき?
──でも「なぜ?」は、人によって全然ちがう。
A ── ふつうの感覚

「海外の安いものが手に入って、便利になったから。」

B ── 一歩深い

「お互い得意なものを交換し合えば、両方が豊かに。」

C ── かなり先を読む

「『消費者のため』── ええ、ついでに私たちの売り場も、世界中に広がるので。」── そこまで計算してる

同じ「賛成」でも、見ている世界はこんなに違う。

そして「消費者のため」という言葉は、たいていいちばん深く読む人が考えて、いちばん何も知らない人に向けて作られている。

※この1枚も、立ち止まってもらうために、わざと単純にしてある。「何も知らない人」は悪口ではなく、興味のない話題での私たち全員のこと。「なぜ?」の中身は、この下に ↓
このページは、「読み方」(3つの問い・4つの約束)が前提です。はじめての方は、先にそちらを。
賛成

「自由貿易を進める」の人は、何を見てる?

同じ「賛成」でも、理由も深さもこんなに違う
① すぐ思う(直感)
② ちょっと考えると
③ かなり先まで読むと
きっかけ 1
身近な経験
自分や周りの体験から
すぐ思う

海外のものが安く手に入って、生活が便利になった経験があるから。

考えると

働いている会社が、海外との取引で仕事が回っているのを体感してきたから。

きっかけ 2
自分の損得
自分が得をするから
すぐ思う

同じものが安く買えるなら、家計にとってありがたいから。

考えると

自分の業界が海外にも売れる方が、給料も雇用も安定すると思うから。

きっかけ 3
信じている考え
大事にしている価値観
すぐ思う

世界とつながっている方が、自然で前向きだと思うから。

考えると

お互いに得意なものを交換し合うほうが、両方が豊かになると思うから。

深く読むと

壁は、外の嵐だけでなく、外の知恵と安さも一緒に止める。閉めきった部屋の空気は、守られたまま、少しずつ古くなる。

ただし本当にそうなるかは専門家でも結論が割れる。深い=正しい、ではない。
きっかけ 4
商売の損得
会社や業界の損得
考えると

世界に売る会社にとって、相手の国の壁が下がることは、店を一軒も建てずに売り場が増えるのと同じだから。

深く読むと

「消費者のため」と言いながら、その言葉を考えたのは、買う側ではなく世界で売る側。自分の商売の追い風を、「みんなの得」という言葉に翻訳している。

★ いちばん巧妙 ── キレイゴトで本音を包んでいる
見た目は「消費者の得」。中身は、世界で売る側の追い風。反対側にも、向きが逆の同じタイプがいます。
きっかけ 5
自分らしさ・仲間
どんな自分でいたいか
すぐ思う

「世界を相手に挑む人でありたい」と思うから。

考えると

開かれた姿勢を大事にする仲間と、考えを合わせたいから。

深く読むと

「開かれた側」に立つと、反対する人に「内向き」という札を貼れる。世界の話をしているようで、自分の立ち位置の話でもある。

きっかけ 6
不安
ばくぜんとした感情
すぐ思う

内向きになっていくと、日本だけ取り残される将来が、こわいから。

考えると

世界の流れに乗れない国は、長く沈むという景色が浮かんで、不安だから。

きっかけ 7
まわりに合わせる
周囲がそうだから
すぐ思う

「世界とつながるのが当たり前」という空気の中で育つと、疑うほうに理由が要るようになるから。

考えると

「まだそんなことを」という目がこわい ── そして自分も、どこかで同じ目を誰かに向けているから。

反対

「国内を守る」の人は、何を見てる?

同じ「反対」でも、理由も深さもこんなに違う ── 賛成側とまったく同じ目で見ます
① すぐ思う(直感)
② ちょっと考えると
③ かなり先まで読むと
きっかけ 1
身近な経験
自分や周りの体験から
すぐ思う

身近な農家や町工場が、安い輸入品に押されて廃業していくのを見てきたから。

考えると

地元の産業がなくなると、町からも人がいなくなる経験を、近くで見てきたから。

きっかけ 2
自分の損得
自分が損をするから
すぐ思う

自分の業界も、競争に巻き込まれて仕事が減ったら困るから。

考えると

結局、安いものに置き換わって、自分の給料も下がっていくと思うから。

きっかけ 3
信じている考え
大事にしている価値観
すぐ思う

自分の国で必要なものは、できるだけ自分の国で作るのが筋だと思うから。

考えると

いざというとき食べ物や薬を海外に頼り切るのは、危ないと思うから。

深く読むと

効率だけで選んでいくと、国の畑は一種類の作物に近づいていく。豊作の年は最高で、病気が来た年に、全部が一度に倒れる。

ただし本当にそうなるかは専門家でも結論が割れる。深い=正しい、ではない。
きっかけ 4
商売の損得
会社や業界の損得
考えると

外の品と直接競争する仕事にとって、壁が下がることは、隣に世界中の安売りの店が一晩で並ぶことだから。

深く読むと

「食料の安全のため」と言いながら、その言葉を考えたのは、食べる側ではなく守られる側。自分の商売の安全を、「国の安全」という言葉に翻訳している。

★ いちばん巧妙 ── キレイゴトで本音を包んでいる
見た目は「食料の安全」。中身は、守られる側の商売の安全。賛成側にも、向きが逆の同じタイプがいます。
きっかけ 5
自分らしさ・仲間
どんな自分でいたいか
すぐ思う

「地元や国の側に立てる人」でありたいから。

考えると

地域の暮らしや産業を大事にする仲間と、考えを合わせたいから。

深く読むと

「守る側」に立つと、進めたい人に「地元を捨てる側」という札を貼れる。食の話をしているようで、自分の立ち位置の話でもある。

きっかけ 6
不安
ばくぜんとした感情
すぐ思う

自分たちの暮らしが、海外の都合一つで揺れる将来が、こわいから。※「不安だから動きたい」という感情のかたちは、賛成側とまったく同じ。向きが違うだけ。

考えると

世界が荒れたときに、食べ物が手に入らなくなる景色が浮かんで、不安だから。

きっかけ 7
まわりに合わせる
周囲がそうだから
すぐ思う

「地元を守ろう」の輪に水を差しにくいのは、その輪の温かさの中に、自分もいるから。

考えると

「やっぱり国産が安心」と言えば、たいてい話はまるく収まる。まるく収めるために選ぶ言葉も、空気の一部だから。