法人税、下げるべき?
──でも「なぜ?」は、人によって全然ちがう。
A ── ふつうの感覚

「うちの会社が、税金で縛られすぎているから。」

B ── 一歩深い

「会社が稼げば、結局それが社員と社会に回るから。」

C ── かなり先を読む

「『投資と雇用のため』── ええ、ついでに私たちの取り分もね。増えたかどうかは、誰も数えに来ませんし。」── そこまで計算してる

同じ「賛成」でも、見ている世界はこんなに違う。

そして「投資と雇用のため」という言葉は、たいていいちばん深く読む人が考えて、いちばん何も知らない人に向けて作られている。

※この1枚も、立ち止まってもらうために、わざと単純にしてある。「何も知らない人」は悪口ではなく、興味のない話題での私たち全員のこと。「なぜ?」の中身は、この下に ↓
このページは、「読み方」(3つの問い・4つの約束)が前提です。はじめての方は、先にそちらを。
賛成

「法人税は下げる」の人は、何を見てる?

同じ「賛成」でも、理由も深さもこんなに違う
① すぐ思う(直感)
② ちょっと考えると
③ かなり先まで読むと
きっかけ 1
身近な経験
自分や周りの体験から
すぐ思う

日本の会社が海外に拠点を移していく話を聞いて、これは国にとって良くないと感じたから。

考えると

働いている会社が、税負担が重くて投資できないと言うのを、現場で聞いてきたから。

きっかけ 2
自分の損得
自分が得をするから
すぐ思う

自分の会社の利益が増えれば、給料やボーナスに回るかもしれないから。

考えると

会社が元気になれば、自分の仕事や雇用も安定すると思うから。

きっかけ 3
信じている考え
大事にしている価値観
すぐ思う

会社がしっかり稼いで、その分を社員と社会に回す方が、健全だと思うから。

考えると

税金で会社を縛るより、自由に投資できる環境の方が、結局みんなに返ってくると思うから。

深く読むと

会社の税は、最後まで会社が払うとは限らない。重くすれば、給料や値段のかたちで働く人と客に回ってくる ── だから下げるほうが、結局は人を守る。

ただし本当にそうなるかは専門家でも結論が割れる。深い=正しい、ではない。
きっかけ 4
商売の損得
会社や業界の損得
考えると

払う税が減れば、減った分はまるごと手元に残る。残ったお金の使い道は、こちらで選べるから。

深く読むと

「下げれば投資と雇用が増える」と言いながら ── 増えたかどうかは、あとから誰も確かめに来ない。減税の分だけは、その年から確実に手元に残る。

★ いちばん巧妙 ── キレイゴトで本音を包んでいる
見た目は「成長と雇用」。中身は確かめられない約束と、確実に残るお金。反対側にも、向きが逆の同じタイプがいます。
きっかけ 5
自分らしさ・仲間
どんな自分でいたいか
すぐ思う

「稼ぐ人を応援したい人」でありたいから。

考えると

経済の成長を大事にする仲間と、考えを合わせたいから。

深く読むと

「経済が分かる側」に立つと、反対の声を「気持ちは分かるけど、現実はね」と受け流せる。語る前から、位置で勝てる。

きっかけ 6
不安
ばくぜんとした感情
すぐ思う

このまま日本の会社が次々に海外に逃げていく将来が、こわいから。

考えると

国内に魅力的な仕事がなくなっていく景色が浮かんで、不安だから。

きっかけ 7
まわりに合わせる
周囲がそうだから
すぐ思う

「世界では下げるのが当たり前」と聞くと、それ以上たしかめずに、そういうものかと思ってきたから。

考えると

会社で「税が重くて戦えない」という話が出たとき、うなずく以外の顔を思いつかなかった。あの空気は、自分も作っているから。

反対

「下げるべきでない」の人は、何を見てる?

同じ「反対」でも、理由も深さもこんなに違う ── 賛成側とまったく同じ目で見ます
① すぐ思う(直感)
② ちょっと考えると
③ かなり先まで読むと
きっかけ 1
身近な経験
自分や周りの体験から
すぐ思う

大企業が史上最高益と言われる一方、自分の給料は上がらない、という話を身近に聞いてきたから。

考えると

会社の貯め込みが増えるばかりで、現場には回ってこない経験をしてきたから。

きっかけ 2
自分の損得
自分が損をするから
すぐ思う

普通の人の税金は重いままなのに、会社だけ軽くするのは、率直に損だと感じるから。

考えると

税収が減ると、その分が消費税や社会保険料で自分に回ってくると思うから。

きっかけ 3
信じている考え
大事にしている価値観
すぐ思う

もうけた人や会社が、応分の負担をするのは当たり前だと思うから。

考えると

強い人や会社が支えてこそ、社会の土台が保てると思うから。

深く読むと

水は高いところへは流れない。会社に残したお金も、給料という坂を登るより、配当と貯め込みという低みへ流れていく。

ただし本当にそうなるかは専門家でも結論が割れる。深い=正しい、ではない。
きっかけ 4
商売の損得
会社や業界の損得
考えると

下げても、もともと利益の薄いうちにはほとんど関係がない。得が大きいのは、利益の大きい会社だけだから。

深く読むと

「大企業に応分の負担を」と言いながら ── 取った税の行き先を決める場には、ちゃんと自分の席がある。払うのは大企業、配り先を選ぶのは自分たち。

★ いちばん巧妙 ── キレイゴトで本音を包んでいる
見た目は「公平な負担」。中身は配り先を選ぶ席の確保。賛成側にも、向きが逆の同じタイプがいます。
きっかけ 5
自分らしさ・仲間
どんな自分でいたいか
すぐ思う

「弱い立場の側に立てる人」でありたいから。

考えると

公平さを大事にする仲間と、考えを合わせたいから。

深く読むと

「働く人の側」に立てば、難しい数字の話も「で、給料は上がったの?」の一言で返せる。立場が、いちばん強い問いをくれる。

きっかけ 6
不安
ばくぜんとした感情
すぐ思う

大企業ばかり優遇されて、自分たちが置いていかれる景色が浮かんで、こわいから。※「不安だから動きたい」という感情のかたちは、賛成側とまったく同じ。向きが違うだけ。

考えると

税金の負担が、結局は普通の人に集中していく将来が、不安だから。

きっかけ 7
まわりに合わせる
周囲がそうだから
すぐ思う

「どうせ大企業は守られてる」は、職場の雑談でいちばん気楽に出せる話だから。

考えると

「貯め込み」という言葉を、くわしい中身より先に、怒っていい合図として使っている部分もあるから。