「うちの会社が、税金で縛られすぎているから。」
「会社が稼げば、結局それが社員と社会に回るから。」
「『投資と雇用のため』── ええ、ついでに私たちの取り分もね。増えたかどうかは、誰も数えに来ませんし。」── そこまで計算してる
同じ「賛成」でも、見ている世界はこんなに違う。
そして「投資と雇用のため」という言葉は、たいていいちばん深く読む人が考えて、いちばん何も知らない人に向けて作られている。
日本の会社が海外に拠点を移していく話を聞いて、これは国にとって良くないと感じたから。
働いている会社が、税負担が重くて投資できないと言うのを、現場で聞いてきたから。
自分の会社の利益が増えれば、給料やボーナスに回るかもしれないから。
会社が元気になれば、自分の仕事や雇用も安定すると思うから。
会社がしっかり稼いで、その分を社員と社会に回す方が、健全だと思うから。
税金で会社を縛るより、自由に投資できる環境の方が、結局みんなに返ってくると思うから。
会社の税は、最後まで会社が払うとは限らない。重くすれば、給料や値段のかたちで働く人と客に回ってくる ── だから下げるほうが、結局は人を守る。
払う税が減れば、減った分はまるごと手元に残る。残ったお金の使い道は、こちらで選べるから。
「下げれば投資と雇用が増える」と言いながら ── 増えたかどうかは、あとから誰も確かめに来ない。減税の分だけは、その年から確実に手元に残る。
「稼ぐ人を応援したい人」でありたいから。
経済の成長を大事にする仲間と、考えを合わせたいから。
「経済が分かる側」に立つと、反対の声を「気持ちは分かるけど、現実はね」と受け流せる。語る前から、位置で勝てる。
このまま日本の会社が次々に海外に逃げていく将来が、こわいから。
国内に魅力的な仕事がなくなっていく景色が浮かんで、不安だから。
「世界では下げるのが当たり前」と聞くと、それ以上たしかめずに、そういうものかと思ってきたから。
会社で「税が重くて戦えない」という話が出たとき、うなずく以外の顔を思いつかなかった。あの空気は、自分も作っているから。
大企業が史上最高益と言われる一方、自分の給料は上がらない、という話を身近に聞いてきたから。
会社の貯め込みが増えるばかりで、現場には回ってこない経験をしてきたから。
普通の人の税金は重いままなのに、会社だけ軽くするのは、率直に損だと感じるから。
税収が減ると、その分が消費税や社会保険料で自分に回ってくると思うから。
もうけた人や会社が、応分の負担をするのは当たり前だと思うから。
強い人や会社が支えてこそ、社会の土台が保てると思うから。
水は高いところへは流れない。会社に残したお金も、給料という坂を登るより、配当と貯め込みという低みへ流れていく。
下げても、もともと利益の薄いうちにはほとんど関係がない。得が大きいのは、利益の大きい会社だけだから。
「大企業に応分の負担を」と言いながら ── 取った税の行き先を決める場には、ちゃんと自分の席がある。払うのは大企業、配り先を選ぶのは自分たち。
「弱い立場の側に立てる人」でありたいから。
公平さを大事にする仲間と、考えを合わせたいから。
「働く人の側」に立てば、難しい数字の話も「で、給料は上がったの?」の一言で返せる。立場が、いちばん強い問いをくれる。
大企業ばかり優遇されて、自分たちが置いていかれる景色が浮かんで、こわいから。※「不安だから動きたい」という感情のかたちは、賛成側とまったく同じ。向きが違うだけ。
税金の負担が、結局は普通の人に集中していく将来が、不安だから。
「どうせ大企業は守られてる」は、職場の雑談でいちばん気楽に出せる話だから。
「貯め込み」という言葉を、くわしい中身より先に、怒っていい合図として使っている部分もあるから。