カジノ、つくるべき?
──でも「なぜ?」は、人によって全然ちがう。
A ── ふつうの感覚

「街がにぎわって、観光も雇用も増えるなら、いいじゃない。」

B ── 一歩深い

「大人が自分の責任で楽しむ自由は、認められていい。」

C ── かなり先を読む

「『経済効果と雇用のため』── ええ、ついでに、答え合わせが開業のあとにしか来ない気楽さもね。」── そこまで計算してる

同じ「賛成」でも、見ている世界はこんなに違う。

そして「経済効果と雇用」という言葉は、たいていいちばん深く読む人が考えて、いちばん何も知らない人に向けて作られている。

※この1枚も、立ち止まってもらうために、わざと単純にしてある。「何も知らない人」は悪口ではなく、興味のない話題での私たち全員のこと。「なぜ?」の中身は、この下に ↓
このページは、「読み方」(3つの問い・4つの約束)が前提です。はじめての方は、先にそちらを。
賛成

「誘致を進める」の人は、何を見てる?

同じ「賛成」でも、理由も深さもこんなに違う
① すぐ思う(直感)
② ちょっと考えると
③ かなり先まで読むと
きっかけ 1
身近な経験
自分や周りの体験から
すぐ思う

身近に観光やリゾートの仕事があって、誘致でにぎわう街を見てきたから。

考えると

海外旅行でカジノを併設するリゾートに行って、楽しい経験をしたから。

きっかけ 2
自分の損得
自分が得をするから
すぐ思う

自分の地元にカジノが来れば、雇用や来街者が増えて、生活も少し回ると思うから。

考えると

観光や宿泊の業界が動けば、自分の業界にも仕事が回ってくると思うから。

きっかけ 3
信じている考え
大事にしている価値観
すぐ思う

世界の主要都市の多くにカジノがあるのに、日本だけ閉じているのは時代遅れだと思うから。

考えると

大人が自分の責任で楽しむ自由は、認められていいと思うから。

深く読むと

人口が減る町は、町の中の財布だけでは支えきれない。外のお金に来てもらう柱を作るのは、好みの話ではなく、算数の話。

ただし本当にそうなるかは専門家でも結論が割れる。深い=正しい、ではない。
きっかけ 4
商売の損得
会社や業界の損得
考えると

誘致が決まった瞬間から、土地・建物・観光の仕事がまとめて動き出す側だから。

深く読むと

「経済効果と雇用」と言いながら ── 効果の数字は誘致の前に語られ、依存症や治安の数字は開業のあとにしか出ない。答え合わせの前に決めさせる、この順番こそが一番の武器。

★ いちばん巧妙 ── キレイゴトで本音を包んでいる
見た目は「経済効果と雇用」。中身は、答え合わせの前に確定する投資と工事。反対側にも、向きが逆の同じタイプがいます。
きっかけ 5
自分らしさ・仲間
どんな自分でいたいか
すぐ思う

「新しい挑戦を歓迎する人」でありたいから。

考えると

観光や成長を大事にする仲間と、考えを合わせたいから。

深く読むと

賛成と言えば、「感情ではなく数字で決められる人」として扱われる。心配する声を「気持ちの問題」と整理できる側の席は、居心地がいい。

きっかけ 6
不安
ばくぜんとした感情
すぐ思う

このままだと、自分の街がさらに沈んでいく景色が、こわいから。

考えると

人口が減っていく中で、新しい産業の柱がない未来が、不安だから。

きっかけ 7
まわりに合わせる
周囲がそうだから
すぐ思う

「海外はあれで観光客を呼んでいる」という土産話に、感心して聞き入ってきたから。

考えると

「誘致で町が変わる」と盛り上がる集まりで、水を差す役は引き受けにくい。盛り上がりも、頭数でできている。

反対

「カジノは反対」の人は、何を見てる?

同じ「反対」でも、理由も深さもこんなに違う ── 賛成側とまったく同じ目で見ます
① すぐ思う(直感)
② ちょっと考えると
③ かなり先まで読むと
きっかけ 1
身近な経験
自分や周りの体験から
すぐ思う

身近で、依存症で家庭が壊れた話を聞いてきて、これは増やしてはいけないと感じたから。

考えると

自分の街にギャンブルの場が増えて、治安が悪くなる経験を、近くで見てきたから。

きっかけ 2
自分の損得
自分が損をするから
すぐ思う

自分の街にカジノが来ると、治安や子どもの環境が悪くなるのは、率直に嫌だから。

考えると

観光客は増えても、地元の人の暮らしのコストが上がるだけだと思うから。

きっかけ 3
信じている考え
大事にしている価値観
すぐ思う

人を不幸にして儲けるような産業を、国の柱にしてはいけないと思うから。

考えると

短期の経済効果のために、社会の弱い人にしわ寄せがいくのは、間違っていると思うから。

深く読むと

カジノの売り上げは、誰かが負けたお金の合計でもある。町に来るのは新しいお金ではなく、新しい負け方かもしれない。

ただし本当にそうなるかは専門家でも結論が割れる。深い=正しい、ではない。
きっかけ 4
商売の損得
会社や業界の損得
考えると

客とお金が巨大な施設に吸い寄せられた分、減るのは町の店の取り分だから。

深く読むと

「依存症が心配」と言いながら ── その心配自体は本物。だからこそ、客を取られたくない商売や、正しさで票を集めたい政治の、一番よく走る乗り物になる。

★ いちばん巧妙 ── キレイゴトで本音を包んでいる
見た目は「依存症と治安の心配」。中身は、その心配に相乗りする商売と政治。賛成側にも、向きが逆の同じタイプがいます。
きっかけ 5
自分らしさ・仲間
どんな自分でいたいか
すぐ思う

「弱い側に立てる人」でありたいから。

考えると

家族や地域の暮らしを大事にする仲間と、考えを合わせたいから。

深く読むと

反対と言えば、「お金より人を選んだ人」として扱われる。それは、まず責められることのない席でもある。

きっかけ 6
不安
ばくぜんとした感情
すぐ思う

自分の家族が依存症になる景色が浮かんで、こわいから。※「不安だから動きたい」という感情のかたちは、賛成側とまったく同じ。向きが違うだけ。

考えると

町の雰囲気が荒れていく未来が、不安だから。

きっかけ 7
まわりに合わせる
周囲がそうだから
すぐ思う

「カジノはちょっとね」という苦笑いの輪に、自分も苦笑いで加わってきたから。

考えると

依存症の特集を見た夜の「こわいね」に、「でも税収には」とは返しにくい。返さなかった夜の分だけ、反対が自分の意見になっていく。