ライドシェア、賛成?
──でも「なぜ?」は、人によって全然ちがう。
A ── ふつうの感覚

「深夜や雨の日にタクシーがつかまらず、困ったから。」

B ── 一歩深い

「使う側に選択肢が増える方が、よいから。」

C ── かなり先を読む

「『利用者の便利のため』── ええ、ついでに、運転手を雇わずに手数料が入ってくる仕組みもね。」── そこまで計算してる

同じ「賛成」でも、見ている世界はこんなに違う。

そして「利用者の便利のため」という言葉は、たいていいちばん深く読む人が考えて、いちばん何も知らない人に向けて作られている。

※この1枚も、立ち止まってもらうために、わざと単純にしてある。「何も知らない人」は悪口ではなく、興味のない話題での私たち全員のこと。「なぜ?」の中身は、この下に ↓
このページは、「読み方」(3つの問い・4つの約束)が前提です。はじめての方は、先にそちらを。
賛成

「解禁・拡大」の人は、何を見てる?

同じ「賛成」でも、理由も深さもこんなに違う
① すぐ思う(直感)
② ちょっと考えると
③ かなり先まで読むと
きっかけ 1
身近な経験
自分や周りの体験から
すぐ思う

身近で、深夜や雨の日にタクシーがつかまらず、困った経験を、何度もしてきたから。

考えると

地方や郊外で、移動の足がなくて困っている人を、近くで見てきたから。

きっかけ 2
自分の損得
自分が得をするから
すぐ思う

もっと安く、もっと早く移動できる方が、率直に便利だから。

考えると

自分や家族の移動が楽になれば、生活の選択肢が広がるから。

きっかけ 3
信じている考え
大事にしている価値観
すぐ思う

使う側に選択肢が増えるのは、よいことだと思うから。

考えると

働く人にも、自由に時間を選んで稼げる道があった方がいいと思うから。

深く読むと

迎えが来ない夜の待ちぼうけは、いまの仕組みでは誰の損にもならない。競争が入って初めて、客を待たせることが損になる ── だから入れたい。

ただし本当にそうなるかは専門家でも結論が割れる。深い=正しい、ではない。
きっかけ 4
商売の損得
会社や業界の損得
考えると

客と運転手を引き合わせる仕組みを持つ会社には、解禁がそのまま新しい商売の場になるから。

深く読むと

「利用者の便利」「地方の足」と言いながら ── 入ってきたいのは、運転手を雇わず、車も持たず、間に立って手数料だけを取る商売。運ぶ責任だけは、間に立つ会社の外に置かれる。

★ いちばん巧妙 ── キレイゴトで本音を包んでいる
見た目は「利用者の便利」。中身は、雇わず持たずに手数料を取る仕組みの陣取り。反対側にも、向きが逆の同じタイプがいます。
きっかけ 5
自分らしさ・仲間
どんな自分でいたいか
すぐ思う

「新しい挑戦を歓迎する人」でありたいから。

考えると

便利さや選択肢を大事にする仲間と、考えを合わせたいから。

深く読むと

賛成は、「時代に乗り遅れていない自分」の証明にもなる。反対する人を「古い」と呼べる立ち位置が、一緒についてくる。

きっかけ 6
不安
ばくぜんとした感情
すぐ思う

移動の足がなくなって、自分や家族が暮らせなくなる地域の景色が、こわいから。

考えると

日本だけ新しい仕組みに乗り遅れる未来が、不安だから。

きっかけ 7
まわりに合わせる
周囲がそうだから
すぐ思う

旅行先で使った友だちの「便利だったよ」に、うなずいてきた自分がいるから。

考えると

タクシーが来なかった話で盛り上がる席で、「でも規制には意味がある」とは返さない。気づけば自分も、解禁の空気の一部。

反対

「反対」の人は、何を見てる?

同じ「反対」でも、理由も深さもこんなに違う ── 賛成側とまったく同じ目で見ます
① すぐ思う(直感)
② ちょっと考えると
③ かなり先まで読むと
きっかけ 1
身近な経験
自分や周りの体験から
すぐ思う

身近に、知らない人の車に乗せることへの不安を持つ家族や友人がいるから。

考えると

自分の地域で、タクシー運転手の仕事に支えられている人を、近くで見てきたから。

きっかけ 2
自分の損得
自分が損をするから
すぐ思う

自分や家族が安全に移動できる方が、率直に大事だから。

考えると

短期の便利さで、結局は事故やトラブルが増えて、自分にもしわ寄せが来ると思うから。

きっかけ 3
信じている考え
大事にしている価値観
すぐ思う

人の命を運ぶ仕事には、ルールと責任が必要だと思うから。

考えると

素人に任せて、安全や責任の所在があいまいになるのは、おかしいと思うから。

深く読むと

安全の決まりは、何も起きていない日には、ただの面倒な手間に見える。外してよかったかどうかは、外したあとにしか分からない。

ただし本当にそうなるかは専門家でも結論が割れる。深い=正しい、ではない。
きっかけ 4
商売の損得
会社や業界の損得
考えると

参入の壁があるおかげで、いまの仕事と運賃が成り立っている側だから。

深く読むと

「安全のため」と言いながら ── 「客を取られたくない」では通らない話も、「危ない」と言えば通る。安全は、競争を断るときの、一番強くて一番きれいな盾になる。

★ いちばん巧妙 ── キレイゴトで本音を包んでいる
見た目は「安全と生活を守る」。中身は、競争を入れたくない側の商売の防衛。賛成側にも、向きが逆の同じタイプがいます。
きっかけ 5
自分らしさ・仲間
どんな自分でいたいか
すぐ思う

「安全を大事にする人」でありたいから。

考えると

ルールや責任を大事にする仲間と、考えを合わせたいから。

深く読むと

反対と言えば、「命を軽く見ない側」に立てる。「便利のためなら危なくてもいいの?」は、まず負けない問いでもある。

きっかけ 6
不安
ばくぜんとした感情
すぐ思う

素人の運転で、自分や家族が事故に巻き込まれる将来が、こわいから。※「不安だから動きたい」という感情のかたちは、賛成側とまったく同じ。向きが違うだけ。

考えると

タクシー運転手の仕事が消えて、地域の足そのものが崩れていく未来が、不安だから。

きっかけ 7
まわりに合わせる
周囲がそうだから
すぐ思う

「知らない人の車に乗れる?」という家族の一言に、うなずいてきた自分がいるから。

考えると

事故のニュースに「ほら、やっぱり」と言い合う輪では、「でも便利かも」が言いにくい。その輪の空気は、自分の相づちでもできている。