ふるさと納税、続けるべき?
──でも「なぜ?」は、人によって全然ちがう。
A ── ふつうの感覚

「お返しももらえて、地方も助かるなら、いいじゃない。」

B ── 一歩深い

「自分の税金の使い道に、自分の意志を入れられるから。」

C ── かなり先を読む

「『地方創生のため』── ええ、ついでに、寄付が町に届く前の取り分もね。通り道に立つのが、いちばん確実ですから。」── そこまで計算してる

同じ「賛成」でも、見ている世界はこんなに違う。

そして「地方創生のため」という言葉は、たいていいちばん深く読む人が考えて、いちばん何も知らない人に向けて作られている。

※この1枚も、立ち止まってもらうために、わざと単純にしてある。「何も知らない人」は悪口ではなく、興味のない話題での私たち全員のこと。「なぜ?」の中身は、この下に ↓
このページは、「読み方」(3つの問い・4つの約束)が前提です。はじめての方は、先にそちらを。
賛成

「ふるさと納税は続ける」の人は、何を見てる?

同じ「賛成」でも、理由も深さもこんなに違う
① すぐ思う(直感)
② ちょっと考えると
③ かなり先まで読むと
きっかけ 1
身近な経験
自分や周りの体験から
すぐ思う

故郷や好きな町に、ささやかでも還元できる気がして、嬉しい経験があるから。

考えると

返礼品を通じて、地方の生産者の顔やストーリーが見えた経験があるから。

きっかけ 2
自分の損得
自分が得をするから
すぐ思う

実質負担2,000円で、いろいろなお返しがもらえて、率直にお得だから。

考えると

自分の税金の使い道に「この町」「この用途」と、自分で意志を入れられる感覚があるから。

きっかけ 3
信じている考え
大事にしている価値観
すぐ思う

地方を応援することは、純粋に大事なことだと思うから。

考えると

税金は、本人の意志がもう少し反映されていい仕組みだと思うから。

深く読むと

国からの仕送りを待つ町は、待つのがうまくなるだけ。選ばれる競争に出た町は、自分の売りものを探し始める ── それが自立の入り口になる。

ただし本当に自立につながるかは専門家でも結論が割れる。深い=正しい、ではない。
きっかけ 4
商売の損得
会社や業界の損得
考えると

寄付が増えるほど、返礼品を作る側と仲介サイトには売上と手数料が立つ。商売として、やめる理由がないから。

深く読むと

「地方創生」と言いながら ── 寄付が町に届くのは、手数料と宣伝費と返礼品の代金を引いた残りから。応援がひとつ通るたび、通り道に立つ側の取り分が確実に生まれる。

★ いちばん巧妙 ── キレイゴトで本音を包んでいる
見た目は「地方創生」。中身は寄付の通り道に立つ側の確実な取り分。反対側にも、向きが逆の同じタイプがいます。
きっかけ 5
自分らしさ・仲間
どんな自分でいたいか
すぐ思う

「地方を応援する人でありたい」と思うから。

考えると

制度を上手に使える人、というふうに自分を見たいから。

深く読むと

「ただ取られるのではなく、選んで納める自分」は、一度味わうと手放しにくい。続けたいのは制度というより、その自分かもしれない。

きっかけ 6
不安
ばくぜんとした感情
すぐ思う

税金がただ吸い取られていく感じが嫌で、せめて何かを取り戻したいから。

考えると

制度がなくなったら、楽しみとお得さの両方を失うと思うと、不安だから。

きっかけ 7
まわりに合わせる
周囲がそうだから
すぐ思う

「え、まだやってないの?」と言われて、考えるより先に始めた口だから。

考えると

年末の「駆け込みで何頼んだ?」の輪に入るには、やっているほうが楽。その楽を選んだ自覚も、すこしあるから。

反対

「見直すべき」の人は、何を見てる?

同じ「反対」でも、理由も深さもこんなに違う ── 賛成側とまったく同じ目で見ます
① すぐ思う(直感)
② ちょっと考えると
③ かなり先まで読むと
きっかけ 1
身近な経験
自分や周りの体験から
すぐ思う

自分の住む街の財政が苦しくなって、サービスが減らされた話を、近くで聞いたから。

考えると

地方の役所が、返礼品の競争に振り回されているのを身近に見たから。

きっかけ 2
自分の損得
自分が損をするから
すぐ思う

自分の住む街の税収が、別の地域に流れていくのは、率直に損だと感じるから。

考えると

街のサービスや公共施設が弱ると、結局は自分の暮らしに返ってくると思うから。

きっかけ 3
信じている考え
大事にしている価値観
すぐ思う

税金は、住んでいる場所のために使うのが筋だと思うから。

考えると

「お得だから払う」という発想は、税の本来の意味からずれていると思うから。

深く読むと

肉や魚という売りものを持つ町が勝つ競争は、売りものを持たない町を助けない。いちばん助けが要る町には、そもそも競争に出すものがない。

ただし本当にそうなるかは専門家でも結論が割れる。深い=正しい、ではない。
きっかけ 4
商売の損得
会社や業界の損得
考えると

住民の数は変わらないのに、税収だけがよそへ流れていく。都市の役所にとって、出ていく一方の制度だから。

深く読むと

「税の公平」と言いながら ── 公平の声が大きくなるのは、出ていく税収が自分の街の痛みとして見えてから。公平という看板の奥に、街の財布を守りたい本音が座っている。

★ いちばん巧妙 ── キレイゴトで本音を包んでいる
見た目は「税の公平」。中身は出ていく自分の税収の防衛。賛成側にも、向きが逆の同じタイプがいます。
きっかけ 5
自分らしさ・仲間
どんな自分でいたいか
すぐ思う

「公平さを大事にする人」でありたいから。

考えると

税の本来のあり方を大事にする仲間と、考えを合わせたいから。

深く読むと

返礼品の自慢が飛び交う場で乗らない自分には、「踊らされていない」という静かな誇りがある。反対は、その誇りの置き場にもなる。

きっかけ 6
不安
ばくぜんとした感情
すぐ思う

このまま放っておくと、自分の街がさらに弱っていきそうで、こわいから。※「不安だから動きたい」という感情のかたちは、賛成側とまったく同じ。向きが違うだけ。

考えると

税金で動くべき仕組みが、お得さで選ぶ仕組みに変わっていく将来が、長い目で見て怖いから。

きっかけ 7
まわりに合わせる
周囲がそうだから
すぐ思う

「あの制度はおかしい」という記事にうなずくことが増えて、それが入り口だったから。

考えると

批判にうなずきながら、得した人の話を聞くとすこしざらっとする。公平への怒りと、乗りそびれた悔しさの区別は、自分でもつかない時があるから。