議員の数、減らすべき?
──でも「なぜ?」は、人によって全然ちがう。
A ── ふつうの感覚

「議員の数、多すぎるって声を聞いてきたから。」

B ── 一歩深い

「政治家も身を切るのは、当たり前の責任だから。」

C ── かなり先を読む

「『身を切る改革のため』── ええ、ついでに、切られても痛まないうちの優位もね。」── そこまで計算してる

同じ「賛成」でも、見ている世界はこんなに違う。

そして「身を切る改革」という言葉は、たいていいちばん深く読む人が考えて、いちばん何も知らない人に向けて作られている。

※この1枚も、立ち止まってもらうために、わざと単純にしてある。「何も知らない人」は悪口ではなく、興味のない話題での私たち全員のこと。「なぜ?」の中身は、この下に ↓
このページは、「読み方」(3つの問い・4つの約束)が前提です。はじめての方は、先にそちらを。
賛成

「削減する」の人は、何を見てる?

同じ「賛成」でも、理由も深さもこんなに違う
① すぐ思う(直感)
② ちょっと考えると
③ かなり先まで読むと
きっかけ 1
身近な経験
自分や周りの体験から
すぐ思う

身近で「議員の数は多すぎる」「お金の使い方が見えない」という不満を、ずっと聞いてきたから。

考えると

自分の業界でも「無駄を減らす」のは当たり前に進められているのに、政治だけ進まないのが変だと感じてきたから。

きっかけ 2
自分の損得
自分が得をするから
すぐ思う

議員にかかる費用が減れば、自分の税金の使い道も少しはマシになると思うから。

考えると

無駄に大きい仕組みは、結局は自分の負担になって返ってくると思うから。

きっかけ 3
信じている考え
大事にしている価値観
すぐ思う

政治家も身を切るのは、当たり前の責任だと思うから。

考えると

少ない人数で、ちゃんと議論して決める方が、本来の政治の姿だと思うから。

深く読むと

人数が多いほど、一人ひとりの責任は薄まる。数を絞れば「みんなで決めた」に隠れられなくなり、決められない政治が変わっていく。

ただし本当に変わるかは専門家でも結論が割れる。深い=正しい、ではない。
きっかけ 4
商売の損得
会社や業界の損得
考えると

大きな政党にとって、削減は人気取りと勢力争いの両方で得になるから。減らして困るのは、たいてい自分たちではない。

深く読むと

「身を切る改革」と言いながら、本当は切られても痛まない側が言っている。消えるのは小さな勢力の議席で、残った力は大きな政党に集まる ── 痛みを見せて、取り分を増やす削り方もある。

★ いちばん巧妙 ── キレイゴトで本音を包んでいる
見た目は「身を切る改革」。中身は、痛まない側の取り分の拡大。反対側にも、向きが逆の同じタイプがいます。
きっかけ 5
自分らしさ・仲間
どんな自分でいたいか
すぐ思う

「現実を見て判断できる人」でありたいから。

考えると

改革や合理性を大事にする仲間と、考えを合わせたいから。

深く読むと

「議員は減らせ」と言うあいだ、自分はどの既得にも乗っていない側に立てる ── 反対しにくい正義は、名乗るだけで強い。

きっかけ 6
不安
ばくぜんとした感情
すぐ思う

政治の無駄が、いつまでも変わらないのが、こわいから。

考えると

決められない政治のまま、国全体が沈んでいく未来が、不安だから。

きっかけ 7
まわりに合わせる
周囲がそうだから
すぐ思う

「議員は多すぎる」は、職場でも飲みの席でも、まず反対されない話題で、自分も気軽に乗ってきたから。

考えると

政治家の話では、けなす側に回るのがいちばん安全で、「議員の仕事は案外多い」とは言い出しにくい。安全な側で笑うことも、空気のうち。

反対

「維持・増やす」の人は、何を見てる?

同じ「反対」でも、理由も深さもこんなに違う ── 賛成側とまったく同じ目で見ます
① すぐ思う(直感)
② ちょっと考えると
③ かなり先まで読むと
きっかけ 1
身近な経験
自分や周りの体験から
すぐ思う

身近で、地元の声を国に届ける議員のおかげで、地域の問題が動いた経験を聞いてきたから。

考えると

自分の地域に議員がいなくなると、地方の声が届かなくなる経験を、近くで見てきたから。

きっかけ 2
自分の損得
自分が損をするから
すぐ思う

議員が減ると、自分や地元の声が国に届きにくくなるのが、率直に嫌だから。

考えると

議員一人当たりが背負う住民の数が増えると、自分の声が薄められると思うから。

きっかけ 3
信じている考え
大事にしている価値観
すぐ思う

いろんな立場の人が議員でいる方が、民意のかたちに合っていると思うから。

考えると

数を減らすと、強い勢力ばかりが残って、少数の声が消えてしまうと思うから。

深く読むと

議員の数は、民意をすくう網の目の細かさでもある ── 網の目を粗くして消えるのは、いちばん大きな声ではなく、いちばん小さな声から。

ただし本当にそうなるかは専門家でも結論が割れる。深い=正しい、ではない。
きっかけ 4
商売の損得
会社や業界の損得
考えると

現職や小さな政党にとって、議員の数の話は、そのまま自分の居場所の話だから。守る理屈には、自然と熱がこもる。

深く読むと

「多様な民意」と言いながら、本当は自分の議席を守りたい現職や政党の側がいる。「民意」は自分の椅子のいちばんきれいな言い換えで、盾にすれば誰も正面から切れない。

★ いちばん巧妙 ── キレイゴトで本音を包んでいる
見た目は「多様な民意」。中身は、自分の椅子の防衛。賛成側にも、向きが逆の同じタイプがいます。
きっかけ 5
自分らしさ・仲間
どんな自分でいたいか
すぐ思う

「少数の声に耳を傾ける人」でありたいから。

考えると

多様な民意を大事にする仲間と、考えを合わせたいから。

深く読むと

反対と言えば「数の力に流されない自分」でいられる ── 守っているのが民意なのか自分の側なのかは、名乗りのなかでは区別がつかない。

きっかけ 6
不安
ばくぜんとした感情
すぐ思う

議員が減ると、自分の声がもっと届かなくなる未来が、こわいから。※「不安だから動きたい」という感情のかたちは、賛成側とまったく同じ。向きが違うだけ。

考えると

大政党だけが強い社会で、少数派が押しつぶされる景色が、不安だから。

きっかけ 7
まわりに合わせる
周囲がそうだから
すぐ思う

地元では「これ以上うちの地域の議員を減らされたら困る」が合言葉のようになっていて、自分もそう言ってきたから。

考えると

地元の集まりで「減らせば得をするのは都会と大きな党」とうなずき合うとき、「数より働きの話では」とは言いにくい。そろったあいづちが、空気を固めていく。