外国人の受け入れ、進めるべき?
──でも「なぜ?」は、人によって全然ちがう。
A ── ふつうの感覚

「人手が足りないんだから、受け入れるしかないでしょ。」

B ── 一歩深い

「人口が減るなかで、国を閉ざすのは現実的じゃないから。」

C ── かなり先を読む

「『いろいろな人と生きる社会のため』── ええ、ついでに、給料を上げずにすむ人手もね。」── そこまで計算してる

同じ「賛成」でも、見ている世界はこんなに違う。

そして「いろいろな人と生きる社会のため」という言葉は、たいていいちばん深く読む人が考えて、いちばん何も知らない人に向けて作られている。

※この1枚も、立ち止まってもらうために、わざと単純にしてある。「何も知らない人」は悪口ではなく、興味のない話題での私たち全員のこと。「なぜ?」の中身は、この下に ↓
このページは、「読み方」(3つの問い・4つの約束)が前提です。はじめての方は、先にそちらを。
※このページは外国の人を傷つけるためのものではありません。賛成・反対のどちらの言い分も、同じ目線で並べます。
賛成

「受け入れを進める」の人は、何を見てる?

同じ「賛成」でも、理由も深さもこんなに違う
① すぐ思う(直感)
② ちょっと考えると
③ かなり先まで読むと
きっかけ 1
身近な経験
自分や周りの体験から
すぐ思う

身近で外国の人の同僚や近所付き合いがあって、思っていたよりずっと普通だ、と感じてきたから。

考えると

自分の業界で人が足りなくて、外国の人に支えられている現場を、間近で見てきたから。

きっかけ 2
自分の損得
自分が得をするから
すぐ思う

人手不足が解消されれば、サービスや物の値段が落ち着いて、自分にも回ってくるから。

考えると

自分の会社の事業が、外国の人の働き手で初めて回っている部分があるから。

きっかけ 3
信じている考え
大事にしている価値観
すぐ思う

生まれた場所で人の価値を決めるのは違うと思うから。

考えると

人口が減っていく中で、国を閉ざすのは現実的ではないと思うから。

深く読むと

「変わらない日本」を保つために、いちばん必要なのは新しく来る人かもしれない ── 閉じて守るより、混ざって続く方が国は強くなる。

ただし本当に強くなるかは専門家でも結論が割れる。深い=正しい、ではない。
きっかけ 4
商売の損得
会社や業界の損得
考えると

介護・建設・農業・外食・観光など、人手の足りない業界は、受け入れが広がれば、給料を上げて人を集める苦労をしなくてすむから。

深く読むと

「いろいろな人と生きる社会」「人手不足の解消」と言いながら、本当は「安く雇いたい」を上品に言い換えている経営の側がいる。「人が足りない」とは言っても、「今の給料では人が来ない」とは言わない。

★ いちばん巧妙 ── キレイゴトで本音を包んでいる
見た目は「いろいろな人と生きる社会」。中身は、給料を上げずに人を集めたい側の言い換え。反対側にも、向きが逆の同じタイプがいます。
きっかけ 5
自分らしさ・仲間
どんな自分でいたいか
すぐ思う

「開かれた人でありたい」と思うから。

考えると

多様な人と関わることを大事にする仲間と、考えを合わせたいから。

深く読むと

「開かれた人」という見られ方は、実際に隣で働いたり暮らしたりしなくても手に入る ── 遠くからの賛成は、いちばん身軽な親切でもある。

きっかけ 6
不安
ばくぜんとした感情
すぐ思う

このまま人口が減っていくと、自分の街が消えていく景色が、こわいから。

考えると

人手がいない国で、自分の老後を支えてくれる人がいなくなる未来が、不安だから。

きっかけ 7
まわりに合わせる
周囲がそうだから
すぐ思う

店でも職場でも外国の人が働くのが当たり前の景色になって、まわりと同じく「もう一緒にやってるしね」と話してきたから。

考えると

「人手不足だから仕方ないよね」の輪のなかで、「ちょっと不安もある」とは言い出しにくい。あいづちも、空気の材料になる。

反対

「受け入れに反対」の人は、何を見てる?

同じ「反対」でも、理由も深さもこんなに違う ── 賛成側とまったく同じ目で見ます
① すぐ思う(直感)
② ちょっと考えると
③ かなり先まで読むと
きっかけ 1
身近な経験
自分や周りの体験から
すぐ思う

身近で、文化や習慣のちがいで戸惑った経験があるから。

考えると

自分の地域で、急に人が増えて、暮らしのルールが揺れた経験を、近くで見てきたから。

きっかけ 2
自分の損得
自分が損をするから
すぐ思う

自分や家族の仕事が、外から来た人と競合して、給料が抑えられるのは率直に嫌だから。

考えると

住宅やサービスが取り合いになって、自分の暮らしのコストが上がると思うから。

きっかけ 3
信じている考え
大事にしている価値観
すぐ思う

自分たちの国の文化やルールは、まず大事にされるべきだと思うから。

考えると

受け入れには、社会の準備とルールがちゃんと整ってからの方がいいと思うから。

深く読むと

受け入れがうまくいかないとき、苦しむのは決めた人ではなく、同じ町で暮らす人と来た人の両方 ── 「広げる前に備えを」は、冷たさではなく順番の話。

ただし本当にそうなるかは専門家でも結論が割れる。深い=正しい、ではない。
きっかけ 4
商売の損得
会社や業界の損得
考えると

仕事や住まいの競争を心配する声が広がるほど、「守ります」と応える側は、その心配の分だけ支持を集められるから。

深く読むと

「治安」「文化を守る」と言いながら、本当は警戒の空気を票に変えたい政治の側がいる。治安が本当にどうなったかは、あとから誰も確かめない ── 不安をすくい上げた票だけが、確実に手に入る。

★ いちばん巧妙 ── キレイゴトで本音を包んでいる
見た目は「治安と文化」。中身は、警戒の空気を票に変える側の集め方。賛成側にも、向きが逆の同じタイプがいます。
きっかけ 5
自分らしさ・仲間
どんな自分でいたいか
すぐ思う

「地に足のついた現実を見る人」でありたいから。

考えると

自分の国や地元を大事にする仲間と、考えを合わせたいから。

深く読むと

「現実を見る人」という見られ方も、現場を知らないままで手に入る ── 警戒を語る声は、いっしょに働く人の声より、いつも少しだけ大きい。

きっかけ 6
不安
ばくぜんとした感情
すぐ思う

自分たちの暮らしの感じが、知らないうちに変わっていくのが、こわいから。※「不安だから動きたい」という感情のかたちは、賛成側とまったく同じ。向きが違うだけ。

考えると

地域の暮らしの約束ごとが、共有しにくくなる未来が、不安だから。

きっかけ 7
まわりに合わせる
周囲がそうだから
すぐ思う

近所や職場の雑談で「最近増えたよね」という言い方が当たり前になっていて、自分も同じ調子で話してきたから。

考えると

「不安だよね」でまとまった輪のなかで、「うちの職場の外国の人は頼りになるよ」とは言い出しにくい。だまって合わせた分だけ、空気は重くなる。